井上議員「デリバリー式は『小学校のような』との答えと違う」
昨年の市長選挙、ある中学生が候補者全員にインタビューするという挑戦をしました。保護者の手を借りながら苦労してアポをとり、全候補インタビューを達成した記録を今もネットで見ることができます。そのときの質問のひとつが中学校給食で、デリバリー式を続けるのか、自校式等に移行するのかというものでした。当時の山中候補もインタビューを受けて「小学校のような給食にすべき」「一番の指標は中学生が満足すること」と答えています。今市長がやろうとしていることは、この中学生に答えたことと違います。なぜ変わったんでしょうか。中学生もわかるよう、市長自身の言葉で説明してください。
市長はこの1年前の回答とは異なるデリバリー式での全員への提供方針を打ち出したわけですが、まずなぜ今のデリバリー弁当が7割近くの生徒に選ばれていないのか、その理由は何で解決策をどう考えたのか、伺います。
井上議員「『温かさ』解決せずデリバリー全員は順序が逆」
生徒と保護者のアンケートの結果、改善策に関する生徒の回答は「温かさ」が一番でした。今食べていない子どもたちに食べるよう求めるなら、まずこの解決が先です。デリバリーという方式を決めてしまい、冷たいなどの問題をこれから検討するというのでは順序が逆です。これでは何のためのアンケートだったのか、デリバリーで全員喫食という結論ありきではなかったのか、この疑問にどう答えるか伺います。
井上議員「市の負担を含む長期契約への問題・リスクは」
デリバリーで100%供給するには今の体制では賄えない生徒6割分の供給能力を新たに作らなければなりません。それには市の負担で民間工場建設を含む長期契約となるのではないでしょうか。そこにはどのような問題、リスクがあると考えているか伺います。
井上議員「実施困難74校の調査、センター土地など具体的結果を」
デリバリーで給食を始めた他都市では開始後に生徒の評判が悪い、残食が多い等の理由から自校式などに転換するところが目立っています。大阪も、川崎も、最近では広島市も、いったん導入したデリバリーを廃止して自校式とセンター式のミックスになりました。すでに周回遅れのデリバリー弁当のために公費を投じて外食産業と長期契約を結べば、引き返すこともできなくなってしまいます。
デリバリーなら実現可能性が高いといいますが、自校式や親子・きょうだい式を組み合わせたミックス方式は本当に実現可能性が低いのでしょうか。実施困難とされた74校についてのさらなる精査、2階建ての調理室等民間ノウハウの募集、聞き取りはしたのか、また、それでも難しい場合のセンター建設のための土地調査の結果はどうだったか。例えば、今後の土地活用が検討されている上瀬谷地区などは建設可能な土地にカウントされているのか。これらの具体的な検討結果を明らかにし、ミックス方式での給食を追求するよう求めます。
山中竹春市長「思いは変わらない。実現可能性の検討結果が原則給食」
中学校給食の実施方式ですが、まず「小学校のような給食」は捉え方に様々ありますが、一般的には、全員で食べる、そういった給食をイメージされるものかと思います。
市長就任後、毎日の試食、そして実現可能性に向けた様々な検討を進めてきた結果、中期計画の素案の中で、今後の中学校給食のあり方の方向性として、令和8年度から原則給食に転換することをお示ししました。
「一番の指標は中学生が満足すること」だという当時の思いは現在も変わっておりません。今回のアンケート結果で明らかになった、温かいおかずの提供に加えまして、副菜の献立の改善、一人一人に合わせた量の調整、食育のさらなる推進などの課題を真摯に受け止めまして、生徒に満足していただけるよう、新しい横浜の中学校給食を実現する、その意気込みで、さらなる発展に取り組んでまいります。
山中市長「食育推進による満足度の向上と給食広報に取り組む」
デリバリー給食が6割以上の生徒に選ばれていない理由と解決策ですが、まず現在の中学校給食は選択制で、供給可能食数が最大40%となっております。また、今回のアンケートで栄養バランスや食育への関心が高いと給食への満足度も高まる傾向があるとみて取れました。栄養バランスのとれた食事を摂取することや様々な国や地域の食文化を学ぶことなどいわゆる食育を一層推進することで満足度の向上につながるのではないかと捉えております。
ひきつづき、生徒や保護者の声を真摯に受け止め、献立の工夫などさらなる改善を行うとともに、試食会の拡充やSNSを活用した広報など給食の魅力を伝える広報に積極的に取り組んでまいります。
山中市長「方式は実現可能性と財政状況など勘案し決定するもの」
検討の順序についてですが、現在のデリバリー給食の契約期間が令和7年度末で終了するということは非常に重要な判断要素の一つだと考え、あらゆる手法を選択肢として、全庁を挙げて検討を進めてまいりました。
全生徒・教職員8万3000人の供給体制の確保を大前提に現在の契約期間が終了する令和7年度末を見据えた実現可能性、実施時期や提供内容の公平性、将来にわたり持続可能な事業となるよう長期的な財政負担を極力少なくすることなど様々な内容を総合的に勘案いたしまして、民間事業者の活力を最大限活用できる方式を選択いたしました。
実施方式につきましては、生徒の成長を支え、将来の食生活を豊かにするという学校給食法の目的を果たすための手段であると考えています。そのためアンケートで是非を問うものではなく、実施方式ごとの実現可能性、あるいは市の財政状況など様々な要因を総合的に勘案し、決定するべきであると考えております。
山中市長「長期契約は質の維持・向上や社会状況変化への対応に課題」
長期契約を行う際の問題ですが、デリバリー方式で全生徒・教職員分の供給体制を確保するためには民間事業者に新規に工場を作っていただく必要があり、その際の支援策のひとつとして長期契約が考えられます。長期契約には契約期間が長くなることにより競争の原理が働かず、質の維持や向上をいかに担保するか、また、物価変動や人口減少などの社会状況の変化にいかに対応するかなどの課題があると承知しております。
事業者の参入意欲を引き出すという観点と事業の継続性をいかに担保するかという観点から公募要件等を検討する必要があると考えております。ひきつづき事業者とのサウンディング調査や外部有識者のご意見等も踏まえながら検討をしてまいります。
山中市長「5500㎡センター×6は土地見通しなく2階建て給食室300㎡必要」
ミックス方式の検証についてですが、自校方式・親子方式に加え、今回初めて中学校に整備した給食室から別の中学校に配送する「きょうだい方式」を加えるなど実現の可能性をこれまで以上に追及いたしました。その結果、実施困難校が73校となりました。
73校約4万8000食をセンター方式で供給するためには、2時間以内に配送可能な給食センターを整備するために5500㎡の土地が6か所必要になりますが、整備するための土地の確保の見通しは立っていません。また、自校方式による2階建ての給食室については、単純に必要床面積を半分にしますと下処理や調理、食缶への盛り付けまでの効率的な給食調理が困難であり、衛生上の課題が生じます。仮に効率的・衛生的に給食調理が可能なスペースを確保した上で2階建てにしますと、他都市の事例では、1階建てでも300㎡程度のスペースが必要となっております。本市で検討している自校方式と同程度のスペースが必要となることから、単純に実施校が増えるわけではないと考えております。
山中市長「センター土地は調査中。具体候補地は控える」
センター建設のための土地の調査についてですが、実施方式の検討にあたっては専任体制を中心に関係局によるプロジェクトチームを設置しまして検討を進めてまいりました。土地については現在調整している段階ですので、市民の皆様を混乱させることがないよう、具体的な候補地についての回答は控えさせていただきます。
井上議員「土地不足、上瀬谷検討されないこと市民にプロセスとして示す」
中学校給食の土地の問題です。まったく情報提供できないというお話でしたけれども、これから民間に対してはですね、土地の件は当然情報提供していくわけですね。民間の事業者には提供できるのに市民にはそのプロセスとして、なぜ土地が足りないのか、それから上瀬谷の土地はなぜ提供できる土地として検討されていないのか、この点については改めてお答えいただきたいと思います。
山中市長「市民を混乱させないため控える」
給食の土地の情報提供についてご質問をいただきました。土地につきましては現在調整を行っている段階ですので、先ほども申し上げましたが、市民の皆様を混乱させることがないよう、現時点では具体的な候補地についての回答は控えさせていただきます。
0 件のコメント :
コメントを投稿