'22.2.28第1回定例会予算第一特別委員会(教育委員会関係)【立憲党】荻原隆宏議員(西区)

荻原議員「ハマ弁時代から現在まで生徒喫食率の変化は」


デリバリー型の中学校給食が始まってもうすぐ1年が経とうとしております。我が国では近年共働き世帯が大幅に増えました。1980年には夫のみ収入源の世帯が1114万世帯、共働き世帯が614万世帯でありましたのが、37年後の2017年にはこれが逆転をいたしまして、夫のみ収入源の世帯は641万世帯、共働き世帯が1188万世帯という状況となっております。子育てに資金的にも時間的にも余裕のないなか奮闘されている保護者のみなさまの暮らしを支えるべく、我が会派は、横浜市においてもすべての中学生に中学校給食を提供できる体制を整えるべきことを訴えております。

現時点、選択制の給食という位置づけに留まってはいますけども、学校給食法に沿い、横浜市が実施主体となって献立の作成、衛生管理等を行い、実質、食材費が60円増額される形ともなりまして、食材の充実も図られております。

ハマ弁時代と給食化したこの1年と、喫食率にどのような変化が見られたか、ハマ弁時代からを含めて、現在までの中学校昼食、給食の生徒の喫食率の推移と、その評価について教育長に伺います。

鯉渕信也教育長「0.9%→21.7%、市責任への期待や声受け止め改善による」

中学校給食関係の喫食率の推移ですが、ハマ弁開始初年度となる平293月の0.9%移行、徐々に利用が進み、最終年度となる令和33月は12.1になりました。給食として開始した令和34月は21.7%となり、その後も継続して目標の20%を上回る利用となっております。

市が責任をもって給食を提供するということに対する期待の大きさや、生徒や保護者の声を真摯に受け止め改善に取り組んできたことが利用促進につながったものと捉えております。

荻原議員「給食は生徒成長支えるもの。喫食率は生徒だけであるべき」

ハマ弁時代は1ケタ台と低迷していた喫食率、直近12月は20.7%ということでございますけども、令和4年度予算案では、これを30%を想定して予算が計上されているということでございます。ハマ弁の時代の喫食率は、生徒と教職員を合算したものだったということでございますが、しかし、給食の本来目的は生徒の成長を支えるというものありまして、今後、指標として市民と共有すべきは、まず生徒にどれだけ給食を提供できているかを示す、生徒の喫食率ではないかと思います。

そこで、令和4年度目標喫食率30%を含めて、今後市民に示す喫食率は生徒だけの喫食率であるべきと思いますが、人権健康教育部担当部長に伺います。

人権健康教育部担当部長「R3.4月以降は生徒のみで算出」

ハマ弁を実施していた当時は生徒と教職員の食数をもとに喫食率を算出していました。中学校給食としてスタートした令和34月以降は生徒のみの食数をもとに喫食率を算出しております。そのため、来年度も生徒の喫食率を算出し、30%となることを想定しています。より多くの生徒のみなさまにご利用いただけるよう、更なる利用促進に取り組んでまいります。

荻原議員「さくらプログラム全校展開に期待する効果は」

令和4年度予算案では、新1年生に給食を推奨する、「さくらプログラム」、これを現在の86校からすべての中学校である145校に全校展開すると示されております。今年度実施した86校の1年生においては4月からここまでの間で約4割で推移していると伺っておりますけれども、「さくらプログラム」全校展開に期待する効果について教育長に伺います。

鯉渕信也教育長「通学負担・弁当づくりの負担軽減、給食利用しやすい環境づくり」

「さくらプログラム」の取り組みにつきましては、生活のリズムが大きく変わるなかで、スムーズな中学校生活への移行ができるよう、4月からの一定期間、中学校給食の利用を推奨するものです。通学距離が長くなる、荷物が増える等、生徒の通学負担の軽減や、ご家庭でのお弁当づくりの負担が軽くなることの他、だれもが給食を利用しやすい環境づくりにつながることを期待しております。

荻原議員「30%では不十分。多くの生徒に提供を実現するロードマップは」

より多くの生徒に安心して給食を食べてもらって、生徒のみなさん、保護者のみなさんの負担が軽減されるという取り組み、これをしっかりとしていただきたいなと思います。

この給食の利用を増やしていく取り組みの一方で、喫食率30%という目標、こちらでは学校給食法の本来の趣旨を踏まえましても、まだまだ不十分であると言わざるをえませんし、来年度中に喫食率30%を超えていくということも十分に想定をしなければならないと思います。このたび、より多くの生徒に給食を提供することを目指して中学校給食の専任体制を設置することが示され、全員喫食の実現に向けて、市民の関心や期待が高まっております。

218日の代表質疑におきまして、我が党の団長であります大山議員の質問に対して、山中市長からは、自校調理方式、親子方式、給食センター方式のほか、デリバリー方式も含め、あらゆる手法を選択肢に横浜市にとって最適な手法を検討すると、このように答弁がありました。

そこで、より多くの中学生に給食を提供していくとの市長の意向を実現するロードマップについて、教育長の考えを伺います。

鯉渕教育長「全校展開後のニーズ把握し中期計画素案へ検討すすめる」

今後の中学校給食のあり方につきましては、4月に設置される専任体制を中心に課題の整理や実施スケジュール等の検討を進めてまいります。あわせて、新年度に入り「さくらプログラム」を全校展開し、利用が進んだところで生徒や保護者のニーズを把握することができるようアンケートの準備も進めているところです。

次期中期4カ年計画の素案の中で一定の方向性をお示しできるよう、検討を進めてまいります。

荻原議員「デリバリー以外の方式の検討状況は」

デリバリー推進については予算案にも示されているところでございますけれども、その他の方式についての議論につきましては、教育委員会ではどのようになっているのか、予算案を見る限り明瞭には見えてきません。そこで、デリバリー以外の方式の検討の状況はどうなっているか、教育長に伺います。

鯉渕教育長「8.3万人への供給体制は大きな課題。最適手法を検討する」

現在、自校調理方式や親子方式、給食センター方式につきましても、課題や実施スケジュールの整理を進めているところです。

本市には日本最大の生徒・教職員合わせて83000人に対して、どのようにして供給体制を整えるかという大きな課題がございます。新たに設置される専任体制のもと、本市にとって最適な手法を検討してまいります。

荻原議員「子の成長社会が支える崇高な理念の学校給食は全員喫食へ」

あらゆる選択肢をしっかりと検討していただきまして、全員喫食に向けた道のりをしっかりと検討していただきたいと思っております。 

「教育時報」という、横浜市教育委員会がかつて発行していた発刊物がございまして、この、29号、昭和307月発行のものとなりますが、この中に当時の教育委員長の言葉が掲載されています。「給食法が制定されて1周年に思う」というタイトルでございまして、次のような一節があります。途中略している部分もございます。

「これ―これ、というのは学校給食を指します―これを小学校の6カ年間のみに打ち切るごときは国民の健全発育の初期においてその方法を誤るものと言わなければならぬ。国においては、給食法制定の際、衆参両議院により、義務教育の中学校にまで実施することの付帯事項までが決議されているのは当然のことである」と、このように書かれております。

給食法制定当時の横浜市教育委員会としては、中学校給食を当然に実現したいという思いを持っていたことが伝わる文章だと思います。

また、昭和4512月の横浜市会本会議の議事録には、中学校給食の実施を求める議員の質問に対しまして、当時の教育長が「なにぶんにも急増する児童生徒の収容対策に行われており、中学校のミルク給食は当分の間実施を見合わせざるをえません」という答弁がありまして、中学校給食をやりたい、そうしたいができないという苦しさが伝わる答弁が残っております。

学校給食法は、戦後復興期のだれもが苦しい時代、会がどのような状況にあっても、それでも子どもたちの発育はしっかり社会全体で支えようという崇高な理念をもって制定されたものと思います。「そうしたいができない」というニュアンスから、いつの間にか「家庭弁当が基本」となった時代もありましたけれども、ようやく選択制の給食というところまでまいりました。今こそ、中学校給食の完全実施という横浜市の本懐を遂げるときなんだろうと、私は思っております。ぜひ、教育委員会には、学校給食法に基づき、山中市長のもと、多くの市民が期待を寄せている、全員喫食の中学校給食の実現に向けて今まで以上に全力で取り組んでいただきたいと思います。

そこで、学校給食法制定の趣旨、山中市長の公約を踏まえ、教育委員会としても全員喫食を前提とした検討を進めるべきと思いますが、教育長のお考えを伺います。 

鯉渕教育長「生徒の成長支えるために給食の環境整える必要ある」

市長に学校給食法の趣旨を踏まえ、より多くの生徒に提供したいとの意向が示されております。教育委員会としては、生徒の成長を支えるためにも給食の環境を整える必要があると考えておりまして、新たに設置される専任体制を中心に着実に検討をすすめてまいります

荻原議員「市民の思い受け止め、全員喫食前提で前向きな検討を」

全員喫食を実施しないという前提に立ったこれまでの議論はしっかりと卒業していただきまして、山中市長の強い意向、学校給食法の趣旨、市民の思いをしっかりと重く受け止めていただきまして、新たに設置する専任体制で全員喫食をするという前提に立って、より多くの生徒に給食を提供していくための前向きな検討を着実にすすめていただくよう強く要望をいたします。

荻原議員「安心・安全な食材確保の取り組み状況は」

学校給食に関しまして、もうひとつ、食材についてお伺いをさせていただきます。

中学校給食を含めまして小学校、そして特別支援学校においても給食には食材の基準に定めがあるとお伺いをしております。非常に多くの規定があると伺っておりまして、これを一体どのようにチェックしているのかなというふうにも思いました。学校給食の安心・安全な食材の確保のための取り組み状況につきまして、人権健康教育部担当部長にお伺いを致します。

人権健康教育部担当部長「業務委託で検査実施し規格適合を確認」

学校給食の食材調達でございますが、小学校は横浜学校食育財団が物資規格を定めて調達を行い、中学校は本市が物資規格を定め、給食製造事業者が食材の調達を行っております。

また、物資の安全・安心の確保につきましては、業務委託を行いまして各種検査を実施し、物資規格に適合していることを確認しています。

引き続き、安心安全の学校給食を提供できるようつとめてまいります。

荻原議員「食の安全は学校給食の根幹、しっかりと取り組みを」

国産比率など地産地消にも関わる大切なことでもございますし、食材の安全は学校給食の根幹でございますので、安心・安全な食材の確保にしっかりとこれからも取り組んでいただくよう要望いたします。

 

0 件のコメント :

コメントを投稿