小粥議員「全生徒満足が最優先。センター土地幅広く検討を」
まず中学校給食について伺います。
常任会資料ではこの中学校給食の実施方法について、検討条件として、これらの項目をあげられています。次のスライド、近隣政令市の状況です。川崎市では既にセンター方式の全員喫食が実施されておりますし、相模原市でもこれまでの横浜市と同様の選択制デリバリ方式からセンター方式への移行が検討されています。
そこで、まず令和8年度から提供可能であるこという、この条件、確かに給食センターの設置・設計工事には5年位かかると。あるいは給食センター6カ所作らなければいけない。基本的には工業系用途地域でやらなければいけないというそんな条件があって、先ほど来、土地の確保ができませんねという話がありましたが、川崎市はですね、こうした工業系だけではなくて、近隣商業地域だとか、一種中高層地住専といった所にも作っているわけですね。そこでまず、土地の取得については建築基準法48条の但し書きの許可も視野に入れるなど用途地域にとらわれずに幅広く検討すべきと考えますが、見解を伺います。
鯉渕信也教育長「工業系以外も検討したが住環境保全など難しい」
私ども専任体制を中心にしましてですね、関係局によるプロジェクトチームを設置して検討を進めてきております、そういう意味では私どもだけではなく、技術系の部署も入ってやっております。この間、学校跡地など建築基準法上の許可を前提に工業系以外の用途地域も含めまして市有地の活用可能性について検討を進めて参りました。しかしながら、周辺の住環境や道路付の状況から工場の建設はなかなか住居型の所にはなじまないということや、住環境を保全するための対応の難しさ、すでに地域住民の活動場所として利用されており時間がかかるというようなことがございまして、現時点ではこの6カ所の土地を確保できる見通しは立っておりません。
小粥議員「自校+センターなど検討を。年間運営費内訳は」
旭区には光が丘小学校跡地というのがありますけれども、1万㎡以上が未利用地で、市有地であります。そうした用途地域を問わず活用したりですとか、例えばですけれども、すでに39校は自校が可能ですから自校方式ができるところからやって、できないところはセンター方式っていうふうにすれば6カ所じゃなくてもうちょっと減らせるかもしれないし、1カ所あたりの敷地面積を小さくすることで民有地の利用ということも可能ではないかと思います。
一方で長期財政負担が大きいということも課題だといいます。
ただ一般的に言えば、長期の運営コストというのは自校方式が1番高くて、その次がデリバリー、センターというふうになります、ではセンターがなぜ安いかというと、弁当箱に小分けをする必要がなかったり、あるいは民設民営の場合ですから事業者の利益を考えなければいけないということなんですね。そこでまず、事業費の長期推計の検討で算出した各実施方式の年間運営費の内訳について伺います。
田中中学校給食推進担当部長「人件費や配送配膳費など」
今回試算いたしました年間運営費には、調理員等の人件費、それから配送配膳費、給食による昼食支援費などが含まれています。センター方式は他都市の直近の事例を参考に、デリバリー方式は現在の給食調理の委託品をもとに算出いたしました。
デリバリー方式は、民間事業所の設備や建物に対する修繕費等が含まれていることから、運営費が他の方式と比較して年間約10億円高くなっておりますが、30年間の長期推計で比較いたしますと、最も財政負担が少なくなっております。
小粥議員「コスト中長期で大差ない。昼食時間確保できない理由は」
30年の長期推計でもなぜ高いかっていうと、そこに書いてあるように、初期の設備費用ってのがセンター方式は高いからなんですね。ただ、中長期の運営コストというのはセンターのほうが安いので、これ中長期で考えると、それほど大きな差は無いんです。
で次、配膳、食べる時間を長くしましょうっていう話。
センター方式は配膳の時間があるので、どうしても食べる時間が短くなるでしょってことです。で、川崎、相模原と横浜を比べてみると、やはりセンターの場合は昼食時間は長いです、確かに。とは言え10分から15分程度、今デリバリーでも下まで取りに行くということがあって、昼食時間まだ確保されていないですよね。で、さらにいうと、これそもそもですね、横浜市って抜本的な日程表の工夫、今でも昼休みの時間が短いと言われてるわけだから、これを機に、川崎なんかは50分ぐらい昼休みの時間あるわけで、そういうことを考えれば、この問題ってそんなに大きな話なのって思うところなんですが。他都市ではセンター方式でもこの給食時間確保できているんですけれども、横浜市で問題となる理由について伺います。
田中部長「登校時間や昼休み、放課後活動に影響が出る」
現在のデリバリー方式の給食は食缶方式と比べまして生徒が配膳を行う必要がないため、給食の準備時間は5分から10分程度で行うことができております。食缶方式の場合は、先生がおっしゃる通りですね、給食当番が食缶に入れた給食をクラスまで運んで食缶から各生徒に配膳を行うのが通常になっております。そのため、給食の準備時間や後片付けの時間等ですね15分から20分程度必要となっております。で、横浜の場合は、朝の登校時間や昼休み、放課後の活動など、そういった時程に影響が出るということが非常に課題ということだと考えております。
小粥議員「時間は工夫で何とかなる。温かさ・おいしさ解決策示せるか」
相模原とかね、登下校ちょっと早かったりします。だからそういう工夫が必要なんですけど、やれば何とかなるんじゃないかと思うんですね。
そもそもデリバリー方式の課題って何かっていうと、実は横浜市でも相模原市でも最近生徒に対して同じようなアンケートを取っておりまして、「デリバリー方式を良くするためには何が必要ですか」という質問しています。
これ、同じなんですね。1位が温かさ、2位はおいしいこと、味付け。で3位からちょっと違いますけれども、量の調整ができるとか、給食時間が長いとか、そういうの、同じなんですね。これは、かなり解決されなければいけない課題っていうのはいろいろあるということなんですが、こうしたことがですね、本当に解決されるかどうかっていうことがわからなければ、この全員喫食のデリバリー方式で本当にいいのかどうかっていう賛否を判断することができないと思うんですね。そこで、デリバリー方式のこうした課題が示されている中で、中期計画の原案策定まで、あるいは議決までにこうした課題が解決策を示されることができるのか、見解を伺います。
鯉渕教育長「12月原案策定までに対応策や考え示したい」
今回のアンケート結果で明らかになりました、先生がおっしゃったようなことであるとか、また食育のさらなる推進とかですね、先生がおっしゃったことも含めましてですね、そういった課題を真摯に受け止め、生徒に満足してもらえるよう新しい横浜の中学校給食を実現するという思いでですね、さらなる発展に取り組んでいきたいと考えております。
12月の原案の策定におきまして可能な限りですね、対応策や考え方をお示しできるよう、市会の先生方とも丁寧に議論を重ねてまいりたいと思っています。
小粥議員「デリバリーは食育つながりにくい。食育重視で方法選ぶべき」
ぜひお願いします。次に、食育です。
同じような質問を横浜市と相模原市で取ってるんですが「デリバリー給食を通じて知ったこと、学んだことはなんですか」。これも横浜市と相模原市はほとんど同じ、「特にありません」です。偏りがないとか食育の観点は2位とか3位になっちゃってるんですね。じゃあ中学生ってこんなもんかなって思うと、次のスライド。
これは相模原市がアンケートをとりました、デリバリーを食べている生徒とセンターの生徒を比較した。デリバリーの1位はさっき言った「とくになし」。でもセンターはですね、1位が「偏りがなくて栄養バランスがとれた」、食育が1番になっているんですね。で、センター校の子どもたち、「とくにない」というのは順位から外れています、ずっと下の方だと。で相模原市はこの結果を見て、やっぱりデリバリー給食ってなかなか食育につながりにくいんだということで判断したんですね。そこでやっぱり教育機関として、教育として、この方法じゃダメだという判断をしております。そういう意味では生徒のため考えて、食育を推進するということであれば、食育の観点を重視して方法を選ぶべきと考えますが見解を伺います。
田中部長「給食利用を原則の上でこれまで以上の食指導できる」
今回のアンケートでございますけれども、選択制の中学校給食を始め1年を経過した中での実施ということで、給食を通じて学んだことが「とくにない」と回答した生徒が最も多かったということは、教育委員会としても真摯に受け止めなければならないことだというふうに感じております。で、今後、給食の利用が原則となればですね、これまで以上に様々な機会を通じて食に関する指導ができる可能性もありますので、学習教材を作ったりですとか、教職員の研修の充実など食育の推進を図ってまいりたいと考えております。
小粥議員「R8年度同時期開始を優先せず検討すべき」
これまでいろいろ検証してきたんですけれども、センターじゃダメだよというような部分がですね、それぞれなんとかすれば課題解決可能なんじゃないかなと感じています。
そのことはですね、今川崎、相模原言いましたけれども、実はそれだけではなくって、堺市だとかあるいは神戸市だとか広島市というのも、選択制デリバリ-からセンター方式にみんな移行しようとしているんですね。それが物語っていると思いますし、ただ、今、教育委員会が最も優先している課題が何かといえば、令和8年度からほぼ同時期に提供開始だということが優先されていて、本来は、「すべての生徒が満足でする給食の提供」ということだったのではないでしょうか。
そこで、令和8年度から実施することを前提とせずに、生徒の満足度を高めるための検討を時間をかけてでも実施すべきと考えますが、見解を伺います。
鯉渕教育長「R8同時期開始は、公平性・教育的に重要」
現在のデリバリー給食の契約期間が令和7年度末で終了するということは、私は重要な判断の要素の1つだと考えております。公平性ですとか教育的観点から、できれば極力全市一律にすることや、地域ごと、学校ごとで差が生じないようにする必要があるとも考えております。
これまでの間、あらゆる手法を選択肢に全庁をあげて検討を進めて参りましたが、現時点では2時間以内に配食可能な給食センターをバランスよく立地する6か所の土地というのは確保できる見通しが立っておりませんので、時間をかけてもこの状況というのはなかなか変わらないのではないかと思っております。
小粥議員「スケジュールありきでなく柔軟に。温かさと食育ゆずらず検討を」
中学校給食って実施方法を一回決めると15年から20年変えられないんですよね。ですからスケジュールありきじゃなくって、課題に対して柔軟な発想をもってぜひ可能性を追求していただきたいと思うんですね。
やはり、時間をかけて、生徒や保護者の意見に向き合って、何を優先するのか、ゆずれないものは何なのかということを重要視して、やはり方策って決定すべきだと思います。ゆずれないものは、私は、やはり温かさと食育だと思う。それをどうやって優先するのか、時期だとかあるいは実施が可能だということより、そういうことをぜひ重要視していただきたいと思います。
またですね、6つもセンター作れないというのであれば、2カ所ずつでも半年ぐらいおきに作っていく、それは同時じゃないかもしれないけれども、145校もあるんですからそれはしょうがないですよ。それは他の自治体に比べれば若干タイムラグがあるかもしれないけれども、そういうこともぜひ検討していただきたいと思います。
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