横浜市会定例会の一般質問(9月6日、中学校給食関連)の文字起こし


◆立憲・国民フォーラム 梶尾明市議(港南区)


 ハマ弁について伺います。先日、私は鎌倉市の中学校給食の方を視察してまいりました。鎌倉市は中学校給食の実施にあたり、平成22年から7年間にわたり学校や保護者とじっくりと議論を重ねてきたとのことです。特に、学校現場に対して耳を傾け、給食時間を確保するために5分間の延長について慎重に議論し、9校中8校で給食時間5分延長の見直しがなされました。また、実施方法を決めるにあたってもさまざまな検討を行い、親子方式は小学校の給食室の用途を工場とする必要があるため、用途地域の制限から設置が難しい。センター方式については、日課表への影響や教職員の負担などから学校現場への影響が大きいことを懸念、その結果、負担の少ないデリバリー方式の給食を導入したとのことです。
 以前、新聞等でも報道されましたが、ハマ弁と鎌倉市の給食では、提供している弁当は同じ製造事業者がつくっているにもかかわらず、ハマ弁、7月の喫食率は生徒全体では3.4%、少ないところでは0.3%、多い学校で40.1%という数字になっていますが、鎌倉市は約83%ということで、大きな大きな差があるのが現状でございます。これは単に生徒数や自治体の規模という、その違いという問題ではなく、丁寧な事前準備に裏付けされた給食実施への市民の思いをくんだ行政の努力であり、1回の手続きで卒業まで予約が自動にできるなどというシステムも喫食率が高い要因だと考えられます。そこでハマ弁の喫食率が上がらない原因について、市長に伺います。
現在のハマ弁は、来年度で事業者との協定期間が終了するということで令和3年度以降の方向性を早期に示さなければなりません。そういう時期に差し掛かっています。徐々には利用が広がっているものの、ハマ弁の現在の喫食率を考えると、現在のままでハマ弁を進めることは困難であることは明確です。超高齢化社会を迎えている今日では、親の介護をしながら働きながら、そして子育てをしながら、疲れを癒す間もない日常に追われる日々を過ごしている方が大勢いらっしゃいます。そんな不安を懸念して若い人たちが結婚や出産を躊躇することは絶対にあってはなりません。くらしの負担、不安を軽減するためにも、市民の求める形での中学校昼食は必要だと考えます。そこで早期に学校給食法に基づいた中学校給食実施を決定し、それぞれの学校事情を勘案した方式を検討すべきと考えますが、市長の見解を伺います。市民の思いを十分にくみ取っていただくようご要望いたします。

林市長 ハマ弁の喫食率が上がらないことについてですが、ハマ弁の利用が進まない要因の一つとして、まわりが食べていないから注文しにくいという声があります。夏休み明けからは、就学援助対象者へ支援を拡充したほか、毎週水曜カレーデー、ハマ弁デーやハマ弁推奨日の実施など、喫食率の向上に今、取り組んでおります。その結果、今年度は8月の喫食率が、全体で5.6%、なかには4割近い学校もあるということでございますので、こういった良い事例を研究、またさらに周知しながら、喫食率の向上に努めてまいります。
 学校給食法に基づいた中学校給食の早期実施ですが、本市では、小学校のような自校方式、親子方式、センター方式についてはコストやスペースの問題で実施は困難と考えています。他都市では、ハマ弁のような仕組みを学校給食法上の給食としていますが、仮にハマ弁を給食と位置付ける場合には、供給体制などさまざまな課題がありますので、中長期的な課題と考えております。

◆公明党 木内秀一市議(旭区)

中学校昼食の充実について伺います。ハマ弁は、本年5月末から当日注文を全校展開するなど、保護者のみなさまの声に耳を傾け、真摯に改善に取り組んできています。今年度で事業開始から4年目を迎え、令和2年度末には、協定期間が終了となります。今年度は、令和3年度以降のハマ弁の方針を検討する時期となりますが、よりよいものとしていくために、生徒や保護者をはじめ、多くの方々の意見を聞きながら、検討を行う必要があると思います。そこで令和3年度以降の方針決定をどのように進めるのか教育長に伺います。
ハマ弁の直近の喫食率は、本年8月で5.6%と少しずつは改善していますが、依然として厳しい状況にあります。生徒、保護者が、ハマ弁を利用しない理由として、まわりが頼まないから利用しにくいという声がいまだ多く聞こえてきます。令和3年度以降の方針を検討する際は、ハマ弁の良さを生かしながら利用しやすい環境を整えることが重要と考えています。本年2月の市会本会議で、わが党では現在のハマ弁をさらに進化させ、学校給食法に準じた横浜型給食を実現することを提案しました。ハマ弁のノウハウを生かしながら学校給食法に則った内容とし、入学時に利用登録を基本とするなど、より多くの生徒がハマ弁を選べる環境を整えることで、安定した利用につながると考えています。そこで横浜型給食の実現をめざすべきと考えますが、市長の見解を伺います。さまざまな声があるなか、早期に実現できる方向はデリバリー方式だと考え、現在のハマ弁を進化させ、より多くの生徒が利用しやすい環境をつくることで横浜独自の中学校給食を実現できるものと考えています。令和3年度以降のハマ弁を検討する際にはしっかりと課題を整理し、将来的な横浜型給食の実現へ向けた検討を進めていただくことを強く要望し、次の質問に移ります。

林市長 横浜型給食の実現をめざすことへの見解ですが、ハマ弁をより利用しやすくするため、多くの生徒から選ばれるような環境を整えることは、重要だと思います。ハマ弁は値段や栄養バランスの点で、他都市のデリバリー型給食とそん色ない内容ですが、仮にハマ弁を学校給食法上の給食と位置付ける場合には、供給体制などさまざまな課題があります。他都市の事例も参照し、検討する必要があり、中長期的な課題と考えております。

鯉渕教育長 ハマ弁の今後の方針決定の進め方ですが、中学校昼食の現状やハマ弁のこれまでの取り組みを検証・評価し、今後の方向性を検討するため、生徒、保護者等へのアンケート調査の実施や外部の有識者も含めた懇談会を開催します。そうしたご意見を参考に、選択制の充実に向けてより利用しやすいハマ弁となるよう検討を行い、年度内をめどに令和3年度以降の方向性を決定したいと考えています。

◆共産党 みわ智恵美市議(港南区)

中学校給食にかかわり、ハマ弁の給食化を市教育委員会と市会第二会派が、横浜型給食を第三会派が言及しています。中学校給食に対して一貫して背を向けてきたこれまでの経過からすれば、市民世論を反映した注目すべき前向きな動きです。しかし、ハマ弁の給食化は、市民が求めるものとは到底言えません。 おかずが冷たい。早朝に作った食事は、風味はどんどん低下し、文科省が示す栄養価・ミネラルは不足しています。牛乳が摂取されなければカルシウムも不足です。食材の産地で地産地消・国産8割を目指し農林漁業支援などの給食の果たす役割も全く実行できません。 市は、このハマ弁の喫食率向上にと、食物廃棄を前提とした当日注文方式までやって、やっと限られた行政区の限られた学校で十数パーセントの喫食率となっただけです。この実態からして、ハマ弁を給食化しても、多くの子どもたちに選ばれるということはあり得ません。次々と失敗を繰り返すハマ弁については、市民から選ばれていないことを認めて、きっぱりと止めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 
教育委員会は、横浜市は学校敷地が狭く、調理室は作れないと説明されます。そこで、私たちは、首都圏の政令市ではどうなっているのかと調査し、さいたま市で、給食調理室を2階建てにしているということが分かり、調査に伺いました。さいたま市では、中学校給食は当然のこととして、子どもたちにとって、美味しい給食を提供できる自校調理方式を実行することを決め、どうすれば狭い校地でもできるかということで研究をし、予算をつけて2階建ての給食調理室設置を進めてきたことを伺いました。また、給食の充実のために、すべての学校に栄養士を市の単独予算で配置し、献立の工夫や地場産の野菜などを利用する取り組みをしています。調理室の整備費も、国からの補助は結果として総額の10分の1程度であっても、子どもたちのためにと取り組んだと説明されました。具体的には最近の3校では、給食室整備費用が平均4億5000万円と聞きました。横浜市の教育委員会は1校当たりの整備費用を1億8000万円と見込み、これを多大な財政負担であるとして、実施しない理由にあげています。これらの事実を目の当たりにして、横浜市が、他都市の取り組みの何周もの遅れを出している実態に、市民や子どもたちに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。横浜市では、できないのではなく、給食をやらない理由に校地の狭さを上げているだけではないかと思わざるを得ません。市長は、中学生の昼食環境を整えることを最重要課題と位置付けておられます。それならば、学校給食法に則った給食を横浜の中学生にと決意するときです。市民が猛烈に反対するカジノを熱心に進める道から、市民が強く求める中学校給食の実施へ。横浜の中学校給食は、小学校と同様の自校調理方式で、こんなに素晴らしい給食にするよと子どもたちに胸を張って言えるように取り組むことが、心から待たれていると思いますが、市長の見解を伺います。 

林市長 ハマ弁はやめるべきとのことですが、本市の中学校昼食については、さまざまなご意見がある中で、議論を重ねた結果としてコストやスペースの問題で、自校調理の給食実施は難しいと考えてハマ弁を導入しております。今年度8月の喫食率は全体で5.6%、中には40%近い学校もあるということで、利用が進んでおります。今後選択制の充実に向けて検討を行って年度内を目処に令和3年度以降の方向性を決定してまいります。 
自校調理の中学校給食を実施すべきとのことですが、施設整備費に多くの費用が掛かるだけではなく、全ての学校では給食室のスペースを確保することができないことから自校調理の中学校給食の実施は困難でございます。 当日注文の全校展開によって利用者のすそ野も広がってきています。引き続きハマ弁デーやメニューの改善などによりまして、利用しやすい環境づくりに取り組んでまいります。 

再質問 中学校給食について、財政の問題をあげられました。多くの費用がかかる、スペースの確保ということも言われましたけれども、やると決めて、どうすればできるのかに取り組むのが、自治体の役割ではないでしょうか。私たちが見に行ったところでは、2階建てもあり、また、そのスペースがなければ教室を改良して、IHの設備で給食室を作っているところもあります。財政問題ということでは、臨港幹線道路の延伸で300億円、これだけで全ての中学校給食できるのではないでしょうか。東高島駅北口開発、神奈川区鶴屋地区国家戦略特区などの民間マンション建設には、義務でもない補助金を次々と出しています。いったい市長の財政運営の柱は、市民なのか、財界なのか、大きく疑問に思うところです。ぜひ、この点にお答えいただき、中学校給食に財源がないなどということは言ってはならないと思います。財政運営のあり方、しっかりと子どもたちのために取り組んで行くことを求めまして質問を終わります。 

林市長 中学校昼食についてですね、これは、先生がおっしゃる、私としては、先生方のお考えというのは、理解できます。本当に、そういうお気持ちがね、お子さんに対して、働くご家庭に対してとか、お子さまを健やかに育てようというお気持ちで話しているのも十分わかりますし、私どもも、そういうことを、先生方も一緒になって、良い方法がないかと考えて、それで、このハマ弁に至ったわけでございます。ですから、ハマ弁をやるにつけては、確かに喫食率が上がってないじゃないかと、色々、ご批判もいただくし、お叱りもいただいておりますけど、今ご説明したように、ある学校では40%まで上がった。これはもう学校の中が、父兄の保護者のみなさんも一体となってやった経過ですね、こういうふうになってきたと思います。ですから、私としては、これをさらに良いものにいたしますし、お時間を頂きたいって気持ちでいっぱいでございますので、そういうことでご理解たまわりたいと思います。以上ご答弁申し上げました。 

◆立憲国民フォーラム 荻原隆宏(西区)


 中学校給食について伺います。平成29年7月13日、前回の市長選挙直前、市長の記者会見の質疑内容要旨を読ませていただきました。この時に、それまでは、中学校昼食は、家庭弁当が基本という方針となっていたものが、いきなり選択制に変わっていますが、もうすでに家庭弁当が基本という前提はないということかとの記者の質問に、市長は、はいそうですと一度、お答えしながら、後ほど、私自身の選挙公約と申し上げた方が明快でしたとおっしゃっておられます。中学校昼食の方針が、議会の議論も、教育委員会も経ず、選挙直前の公開討論会の場で、いきなり選択制として出てきたことに、給食実現を公約とする他の候補者の陣営からは、選挙目当てではないかと疑われても仕方のない状況であったと思います。中学校昼食について、なぜ家庭弁当が基本という表現から、選択制という表現に変えたのか、市長に伺います。
選択制といってもハマ弁、家庭弁当、業者弁当の選択であり、お弁当以外の選択肢はありません。共働きが増え、長時間労働も続く中、保護者は子どもに弁当をつくってあげたいと思うけれども、忙しくてしんどくてつくれない。この悩みを市長と教育委員会事務局のみなさんには分かっていただきたいのです。そして、子どもも、忙しいお母さん、お父さんを見ているので弁当をつくってくれと無理に言えない。そのような非正規雇用が増えたバブル崩壊以降の時代の状況に伴う葛藤から保護者や生徒を開放してあげることが義務教育の意義でもあり、真に喜ばれる選択制といえるのではないでしょうか。そのためにデリバリー方式にせよ、センター方式にせよ、それぞれの地域事情が可能な形で、中学校給食を実施すると、はっきり転換し、学校が給食を準備するから、何も心配はいらないです。ただ必要な場合は、家庭弁当でも大丈夫ですよという、そういう選択制を導入していただきたいと思いますが、市長の見解を伺います。
2020年度末に、ハマ弁事業者の契約期間満了を迎えるのを受け、今年度内目途にハマ弁を継続するのかどうかを判断すると伺いました。そうであれば、ハマ弁の目標数値である喫食率20%、本来これが今年度内に達成されるかどうかがハマ弁継続か否かの判断基準とならなければならないと思いますが、いったい、どのような場合にハマ弁を継続しないと判断とするのか、市長に伺います。

林市長 中学校給食についてご質問いただきました。選択制という表現を変えた理由ですが、社会情勢や生活スタイルが変化するなか、栄養バランスのとれたハマ弁を選んでいただきたいと考えました。そこで他都市の給食並みに価格を引き下げ、ハマ弁をより利用しやすくすることでご家庭のライフスタイルにあった昼食を選べる選択制が実現できると考えまして、現在の選択制という表現で考え方を整理してまいりました。給食を基本とした選択制の導入ですが、本市では小学校のような自校方式や親子方式、センター方式については、コストやスペースの問題で実施は困難と考えます。他都市では、ハマ弁のような仕組みを、学校給食法上の給食としていますが、仮にハマ弁を給食と位置付ける場合には、供給体制など、さまざまな課題がありますので、中長期的な課題と考えております。
 ハマ弁を継続しない判断についてですが、本市の中学校昼食については、さまざまな意見があるなかで議論を重ねた結果としてコストやスペースの問題で、自校調理などによる給食実施は難しいと考えて、ハマ弁を導入しております。今年度は、8月の喫食率が全体で5.6%、中には40%近い学校があるなど、利用が進んでいます。今後、選択制の充実に向けて検討を行い、年度内を目途に令和3年度以降の方向性を決定してまいります。

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