令和2年第3回横浜市会定例会で9/28、決算第一特別委員会(建築局・教育委員会)があり、共産党の古谷靖彦議員(鶴見区)が令和3年度から開始の中学校給食について質問しました。
【質問】給食実施の理由
私たち日本共産党市会議員団はこの間一貫して、他都市で実施している中学校給食がなぜ横浜市で実施できないのかと要望し続けてきました。まず、中学校給食実施に踏み切った理由について伺います。
【答弁:鯉渕教育長】アンケート結果や懇談会意見から
令和元年度のアンケート結果から、デリバリー型給食への保護者の期待が高く、懇談会からも学校給食法上の給食に位置付けることを含むご意見をいただきました。これらの意見を踏まえて3月に、令和3年度以降の中学校昼食の方向性を策定し、その後、課題の整理を行った結果、供給体制の確保や衛生管理について解決できる目処がたったことから、6月に、令和3年度からデリバリー型給食を実施することといたしました。
【質問】2割しか食べない選択制を選んだ理由
中学校給食を来年4月から始めるということなんですが、実施の内容を見るとですね、まず選択制であるということ、しかも想定喫食率はたった2割だと。率直に、なぜ2割しか提供できない仕組みを選んでしまうのか。
【答弁:鯉渕】実現可能なのは選択制デリバリーだけ
本市では小学校のような自校方式や親子方式など学校で調理する方式での中学校給食の実施は敷地の関係で困難であり、実現可能な選択肢はハマ弁のようなデリバリー型の給食しかないと考えております。
また、昨年のアンケート結果から、生徒・保護者・教職員のすべてで、「自由に選択できるのが良い」との回答がもっとも多く、選択制が評価されていることから、選択制のデリバリー型給食を実施していきたいと考えております。
【質問】なぜ2割か
なぜ2割を選んだのかということだが。
【答弁:鯉渕】アンケート結果から実現可能と設定
小学校6年生の児童・生徒のアンケート結果であるとか、また、保護者からのアンケート結果も踏まえまして、選択制とした場合に、そのくらいが実現可能な領域でないかとして設定しております。
【質問】ハマ弁選ばせる施策矛盾では
これね、本当に残念なんです。せっかく中学校給食が始まるのに、たった2割しか提供できないというのは本当に残念です。
選択することを、今非常に強調されました。それだけ強調されながら、一方では、ハマ弁をさくらプログラムで選ばせようという手立てをしている。これは矛盾するのではないか。
【答弁:鯉渕】ハマ弁選びたい思い実現しやすく
選びたいという、選択したい、利用したいというご家庭の事情がありますので、そうした思いが実現しやすくなるように、登録は原則としていただく。また、ハマ弁をとることを、特に1年生になった時点で、中学校生活が始まるところなので、重いカバンを持っていくこともどうかということで、できるだけ推奨したものでございます。学校・保護者の理解を得てさくらプログラムを実施できるところで実施したということです。
【質問】給食化で想定喫食率達成できるか
いずれにしても、選択式を言っておきながら、ハマ弁だけを推奨するのはやはり明らかな矛盾だと思う。
結局、ハマ弁を給食化するというものですが、他都市では選択式の配達型を始めて喫食率が伸びずに次々と親子や自校に切り替えています。給食化すればハマ弁は想定喫食率を達成すると思いますか。
【答弁:木村部長】20%は妥当、達成につとめたい
今回、デリバリー型給食の想定喫食率として示した数値は、プロポーザル公募の際に事業規模の目安を事業者にお示しするために設定したものです。昨年のアンケートでの小学6年生が中学校に進学して「ハマ弁を毎日利用したい」という割合が18.3%であることや、9月の喫食率の速報値が10.2%で、うち、1年生の喫食率が約15%であることなどを考慮すると、20%は妥当な数値であり、達成できるようにつとめたいと考えております。
【質問】ハマ弁想定喫食率未達成の原因は
そもそも今までハマ弁は一度も想定喫食率に達したことがありません。なぜ到達しなかったと捉えていますか。
【答弁:木村】ニーズ汲み取れず、事前の調整不十分だった
ハマ弁は初めての事業で生徒や保護者のニーズを十分にくみとることができなかったこと、それに加えて、開始前に各学校との調整が十分でなかったことなどが利用が進まなかった要因だと考えています。
ハマ弁事業を5年間で当日注文の導入や献立の充実などを行い、直近の喫食率は先ほど申し上げましたように、進んでいます。引き続き、味付けの工夫、利便性のさらなる改善をはかりつつ、利用促進策を展開したい。
【質問】2割提供時の経費
今回の中学校給食を実施するにあたって、2割で提供する給食を、ハマ弁方式で経費がいくらかかるのか、あるいは親子方式でいくらかかるのか。
【答弁:木村】デリバリー20%14億、親子100%84億
デリバリー型給食実施に向けた給食調理・配送業務にかかわるプロポーザル公募にあたり、想定喫食率を20%だとした場合の調理・配送・配膳等にかかる経費として、概算で14億円を想定しております。
事業スキームが違うため単純な比較はできませんが、親子方式を行う場合、小学校と中学校の配膳室を建設する必要があり、144校で84億円の施設整備費がかかるほかに、配送費・配膳費が別途必要になるものと考えています。
(質問)2割提供の場合ですが。
2割程度の小中学校で親子方式ができた場合には、施設費は5分の1(16.8億円)になるのかなというふうに考えております。
2割程度の小中学校で親子方式ができた場合には、施設費は5分の1(16.8億円)になるのかなというふうに考えております。
【質問】自校・親子で給食提供可能な生徒数
ハマ弁はたった2割しか提供できないものを事業費です、ということで経費をかけています。親子あるいは自校は100%で計算している。
現時点で、自校方式・親子方式でどのくらいの生徒に給食を提供できるのか。
現時点で、自校方式・親子方式でどのくらいの生徒に給食を提供できるのか。
【答弁:木村】約半数の74校
令和3年度以降の中学校昼食の方向性を検討するにあたり、実施方法別の施設整備の試算を再検証しました。自校方式では食材納品動線を含めた給食室設置スペースの確保や、親子方式では区内だけでなく近隣区の小中学校の組み合わせなど、より精緻に検証しました結果、144校中、自校方式で47校、親子方式で44校が実施可能でした。重複している学校もありますので、いずれかの方式で実施できる学校は約半数の74校と試算しました。
【質問】自校・親子5割ならまず提供考えよ
自校・親子で5割できると、ハマ弁だと2割しかできないということ。自校方式や親子方式で、まず提供できるところから提供するという考え方はなかったのか。
【答弁:鯉渕】老朽校舎建て替え終了まで32年かかる
裏を返すと、自校方式・親子方式で約半数の学校での実施が困難だということになります。こうした学校において自校方式の給食を実施可能とするためには、校舎の建て替えが必要となりますが、昭和56年度以前に建設された学校の建て替えだけでも事業期間は32年間にも及ぶと見込んでいます。この期間はあまりに長期間といえ、公平性に欠けると考えていることから、全校実施が唯一可能な選択制のデリバリー型給食を実施してまいります。
あの、20%とおっしゃっておりますが、われわれも言っておりますが、希望する生徒全員を対象にしたいという考え方に基づいております。
【質問】希望する生徒とは
希望する生徒というのはどこまで可能なのか。
【答弁:鯉渕】30%まで対応
想定で2割ですが、今回事業実施にあたり30%まで対応できることを事業者側に確認しているところです。
【質問】法に則り全員喫食に努力すべき
法の理念に照らせば、全員喫食をめざして取り組む努力をすべきだというふうに思いますが、どうか。
【答弁:鯉渕】法は努力義務
おっしゃる通り、学校給食法の実施基準によれば、学校給食はすべての生徒に対し実施されるものと期待されていますが、これは努力義務でございまして、地域の実情等を踏まえ各自治体で判断するものとされております。デリバリー型給食を実施している自治体では、アレルギー対応が難しいことなどから家庭弁当との選択制で給食を実施しているところが多くございます。本市でも希望するすべての生徒提供できる体制を整えて参ります。
【質問】ハマ弁実践は何が優れているのか
全員喫食に向けて努力すべきということは、文字通り努力すべきだと思う。
横浜で選択する力をつけるんだとやってきたが、ハマ弁の実践が他都市に比べてどういうところが優れているのか。
【答弁:木村】食育実践は選択方式で選択する力つける
選択する力ということですが、基本的に中学校における食育は、家庭科で知識等の定着をはかっております。それを実践する場はなるべく多いほうがいいというふうに考えておりまして、できれば選択方式のなかで、選択する力をつける場面を増やしていきたい。
【質問】効果検証は
先日、本会議の中で答弁されましたが、それは効果検証されていないのか。
【答弁:鯉渕】データなし
正確なデータはとっていません。
【質問】よりよい教育条件のため全員喫食広げる役割ある
教育長、ぜひ、子どもたちの教育条件をよりよく広げていく、給食も同じく、全員喫食を広げていくことが役割だと思うが。
【答弁:鯉渕】よりよい昼食として選択制デリバリー
よりよい給食、昼食をめざすという考え方のもとで今般整理させていただいたのが、3年度に向けてデリバリー型給食をするということでご理解いただきたい。
【質問】ニーズ調査実施を
たった2割でしか提供できないものを「給食です」というのは、あまりにも。給食が始まったと、本当に喜んだご家庭もあったかと思う。しかし、中身を見るとそういうことだというのは、非常に残念だと思わざるを得ない。改めてニーズ調査などをしていただきたい。
【答弁:鯉渕】しかるべきタイミングで実施検証する
3年度に新たにデリバリー型給食を実施しますが、しかるべきタイミングで実施検証をしてみたいと思います。
【要望】実施検証時は自校・親子も選択肢に
その際にはぜひ、自校方式・親子方式も選択肢に入れていただきたい。
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