『どうして横浜では中学校給食ができないの??』
全国では88.8%の中学校で〝あたりまえ〟に行われている中学校給食。
ところが、神奈川県の完全給食実施率は25.7%でダントツ最下位です。
県内に目を移すと、お隣・川崎市でも中学校給食が始まり、
横須賀市では中学校給食実施に向けた検討がすすめられています。
そして、政令指定都市で中学校給食を実施していないのは、横浜市だけになりました。
ここで浮かぶ疑問、「なんで横浜市ではできないの?」について、
ここで浮かぶ疑問、「なんで横浜市ではできないの?」について、
林文子市長との懇談(2015年10月13日)での林市長の説明をまとめてみました。
■その1:お弁当づくりがやりがい?
林市長の理由1つ目は、「熱烈にお弁当づくりがやりがいとか、お子さんのためにやりたいという人もかなりいる」とのことでした。
この説明について、私たちの会は「どれくらいだろう?」と疑問を感じ、市教育委員会に伺ってみたところ、課長さんは「調査などをしていない」との回答でした。
一方、私たちの市民アンケート(2015年2月15日~8月31日、3372人分)では、95.7%(3227人)が中学校給食の実施に「YES」との回答です。
市民の声は給食【YES!】なのではないでしょうか。
■その2:調理施設は設置できない?
二つ目の理由は「校内に調理施設を設けるのも無理」ということでした。
市教委は、校内に調理施設を設置する方式(自校調理方式)は「半数以上の中学校で、施設の制約から実施が困難」と言っています。
私たちは、市教委が各中学校に調理施設を設置するスペースがあるかないかを判断した資料を情報公開請求で入手!その資料によると、判断基準は「給食室標準図」で示された面積(300平方メートル)が中学校に確保できるかどうかのみ。食数と密接に関係する生徒数すら検討材料にありません。
実は、この「給食室標準図」は、市独自のもので、法的な縛りはありません。実際、市立小学校の給食室は、300平方メートルよりも小さいものが全体の64%を占めています。
さらに、給食センターから配達する方式(センター方式)についても、市教委は「建設用地の確保が困難」だと言います。でも、課長さんに詳しく聞くと「具体的な検討はしていない」とのこと。「家庭弁当が基本という方針のもと、持てる材料で判断した」と言います。
これらのことから、横浜市は中学校給食について【まともな調査も検討もしていない】し、そして、こうした見解は【給食をやらないという結論ありきの判断】だったのでは?と思わざるをえません。
■その3:お金がない?
三つめは「お金がない」との説明です。
ところが、横浜市の「財政力指数」は、全20政令市の中で第4位。
そして、他の政令市はすべて、中学校給食を実施しています。
【横浜市にないのは、お金ではなく、やる気】なのではないでしょうか。
やる気がなければ、調査や検討もいい加減になるし、お金も回さない。
そういうことなのではないでしょうか。
※完全給食=給食内容が、パンor米飯、ミルク、おかずである給食
(文部科学省:学校給食実施状況等調査-用語の解説)
※財政力指数=地方公共団体の財政力を示す指数で、基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去3年間の平均値。 財政力指数が高いほど、普通交付税算定上の留保財源が大きいことになり、財源に余裕があるといえる。(総務省:指標の説明)
平成27年度の資料では、横浜市は0・97(4位)です。平均は0・86。