'21.9.16 横浜市会一般質問③【公明党】斉藤伸一議員(保土ヶ谷区)

9月16日の市会第3回定例会一般質問で、4議員が中学校給食について質問されました。順番にご紹介します。

斉藤議員「現在の中学校給食は大変重要な事業。全員喫食の姿とは」

本年4月より、デリバリー型の中学校給食がスタートしました。わが党では、共働き家庭の増加や就労形態の多様化等社会情勢の変化から家庭弁当を用意することが困難なご家庭に何ができるのかと、課題の解決に積極的に懸命に取り組んでまいりました。
平成9年に実施した、学校へのパンの自動販売機の導入を皮切りに、地元の業者弁当等の導入を進め、スクールランチ方式のモデル実施を経て、全国一律の昼食提供が可能となるハマ弁の全校実施、そして、このたびのデリバリー型給食の実現等、実に25年以上の長きにわたり、横浜の中学校昼食の議論をしてまいりました。
実施に至る検討の中では、中学生の目線で現場のニーズや状況を把握するために、平成18年度以降5回にわたりアンケートを実施してきました。客観的な根拠に基づき、かつ、現場の声を受け止めた結果として、現在の選択制のデリバリー型給食という結論を導き出しております。
長年家庭弁当に頼ってきた本市にとって中学校給食の実現は、歴史的な大きな一歩である、今後利用が進むことでさらなる発展も期待できる大変重要な事業だと自負しております。市長は全員喫食をめざすと言っておられますが、そもそも市長が考える全員喫食とは、小学校のような給食をイメージしているのか、それとも現在のデリバリー型で全員が同じものを食べるという意味なのか。公約や所信表明からは見いだすことができません。
そこで長が考える全員喫食の姿についてお伺いいたします。

斉藤議員「一部の声で政策判断すべきでない。なぜ全員喫食か、実現のめどは」

市長が先の所信表明で、「横浜の公立中学校で全員が給食を食べられるようにしてほしい、その声を何度もお聞きしました」と発言されていましたが、「家庭弁当が良い」という生徒もおります。また「お弁当を持って行かせたい」という保護者の声もあります。
令和元年度に教育委員会が行ったアンケート調査をみると、「選択制についてどう思うか」の項目では、「自由に選択できるのがよい」「全員が同じ物を食べるのが良い」「家庭弁当だけでよい」「業者弁当だけでよい」「ハマ弁だけでよい」という質問のなかで、生徒、保護者、そして教職員のすべてで「自由に選択できるのがよい」という回答が多い状況でありました。特に生徒の約8割が「自由に選択できるのがよい」と回答しております。データサイエンスの手法を市政運営に取り入れるというなら、一部の声だけで政策判断すべきではなく、学校現場から出てきたこのデータをもとに議論をすべきではないでしょうか。
そこで、なぜ現在の選択制を見直し全員喫食をめざすのか、実現の可能性があるのか、市長にお伺いいたします。

斉藤議員「現在の中学校給食の評価」

令和2年第4回市会定例会では、現在のデリバリー型給食の実施に必要となる横浜市学校給食費の管理に関する条例の一部改正に関する議案に対して、一部を除き、すべての会派が賛成しております。市会でも長年議論を重ね、多くの課題を乗り越えながらようやく実現したものです。現在の中学校給食をどのように評価しているのか、市長にお伺いいたします。

斉藤議員「給食冷たくてまずいのか」

選挙期間中、今のデリバリー型給食が「冷たくてまずい」など、本当に心ない、誹謗中傷ともとれる意見が散見され、中学校給食が政治の道具に使われてしまっていることに、大変悲しい気持ちなりました。市長ご自身も、市長就任後の定例記者会見で「冷たくておいしくない」とう発言をされました。
現在のデリバリー型給食は、毎日約17000人もの生徒が食べているものでありまして、給食を楽しみにしている生徒さんが大勢いらっしゃいます。記者からの質問に対して「仮にそういうことであれば」という前提での発言であったとしても、横浜市を代表する市長として、決してあってはならない発言だったのではないでしょうか。
市長は就任後、できる限り給食を食べていると聞いております。実際に食べた感想は、本当に冷たくてまずいものだったのでしょうか。そこで、中学校給食を食べてみた感想を、市長のお言葉で、市長の言葉でお伺いいたします。

斉藤議員「現在の給食利用促進策は」

現在、中学校給食の直近7月の喫食率は21%、特に1年生のm喫食率は339%と、順調なスタートをきっております。中でもさくらプログラムを実施している86校の1年生の喫食率はこの4カ月間継続して4割を超えており、大変好評であります。一方市長からは、全員喫食の実現に向けた具体的なプランや財源の裏付けが示されておりません。
あえて繰り返しますが、現在の選択制の中学校給食は、客観的な根拠に基づき、市会の総意で実現したものであります。現在中学校生活を送っている生徒や保護者のために、安全安心で質の高い食事をより多くの生徒に提供することに注力することが、市長としての責務ではないでしょうか。そこで、現在の中学校給食の利用促進について、市長にお伺いいたします。

斉藤議員「現在の方式が最適。経緯を評価し議論重ねるべき」

現在の選択制のデリバリー給食は、土地やスペース、厳しい財政状況、選択制を評価するアンケート結果など、本市が置かれている状況を踏まえて、早期に実現可能な最適の方法として始めたものであります。もしも市長が今までの検討結果を覆し中学校給食を見直すというのであれば、今までの経緯や横浜の実情を正しく把握し、市会でも十分な議論を重ねるべきであります。
そこで、今までの経緯を正しく評価した上で市会での議論を重ねるべきだと考えますが、市長のご見解を伺います。
市長におかれては、長年市会で積み上げてきた議論を軽視することなく、行政のトップとして責任もって横浜の中学校給食の実情を正しく把握して、正しい政策判断をしていただくことをここに強く要望いたします。

山中市長「学校給食法趣旨にのっとり全員が食べる給食を」

全員喫食についてですが、学校給食法の趣旨にのっとり、栄養バランスのとれた給食を原則として全員が食べることをめざしたいと考えております。

山中市長「各手法を市民と市会の意見を聞き検討する」

実施方式については、自校調理方式、小学校を活用する親子方式、給食センター方式、デリバリー型等さまざまな手法を市民と市会のご意見を伺いながら検討する必要があると思っています。今後、どのような手法が望ましいか検討してまいります。

山中市長「生徒の成長支える給食をより多くに」

現在の選択制を見直し、全員喫食をめざす理由、および実現の見込みですが、生徒の成長を支える給食を限られた生徒への提供にとどめることなく、学校給食法の趣旨にのっとり、より多くの生徒に広げたいという思いから、全員喫食の中学校給食をめざしていきたいと考えています。
全員喫食の中学校給食の実施には、土地や学校内の敷地、財源等の課題があることも承知しています。まずは課題の整理と実施スケジュール等を検討してまいります。

山中市長「課題は30%までの供給体制とおかずの温度」

現在の中学校給食への評価ですが、デリバリー給食を実施したことは一歩前進だと思いますが、現時点での課題としては最大30%までの供給体制の確保及びおかずの温度だと思っています。

山中市長「現在の給食は栄養バランスや食育意識された多彩なメニュー」

中学校給食を食した感想ですが、栄養バランスの考慮のほか、旬の食材を生かすことや、季節行事を感じられる献立を取り入れる等、食育も意識された多彩なメニューとなっていると思います。

山中市長「さくらプログラムを来年度は全校実施する」

現在の中学校給食の利用促進についてですが、今後、全員喫食をめざした検討を進めてまいりますが、当面は現在の給食をより多くの方にご利用いただきたいと考えております。今年度86校で実施したさくらプログラムを来年度は全校実施をめざし、データをとりたいと考えております。

山中市長「様々な角度から検討し法にのっとった全員喫食へ議論重ねる」

今までの経緯を正しく評価した上で市会での議論を重ねるべきとのことですが、横浜にとって長年の課題であった中学校給食が実現できたことは市会で十分な議論を積み重ねてきた結果であると承知しています。今までの経緯を踏まえながら、さまざまな角度から検討を行い、学校給食法の趣旨にのっとって全員喫食の中学校給食に向けて、市会のみなさまと真摯に議論を重ねたいと考えております。

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